一般的に主流となった水冷エンジンに比べ、マニアックな魅力のある空冷エンジン。今回は絶滅危惧種でもある空冷方式のエンジンを搭載したバイクの紹介です。おそらくもう数年すれば無くなるであろう車種なので、新車で購入できる機会も今が最後であると言えるでしょう。なぜ空冷エンジンが絶滅の危機に瀕するしているのかという理由も含めてピックアップしたいと思います。
もくじ
なぜ空冷エンジンは絶滅の危機に瀕しているのか
シンプルに言えば、排ガス規制が厳しくなったからです。空冷エンジンは、オーバーヒートを避けるために、ガソリンの噴射量を多くする必要があります。そのため排気ガスが汚くなり、基準をクリアできずに販売できないという事情です。事実、空冷エンジンはオーバーヒートしやすい傾向にあります。例え一定速度でクルージングしていても(エンジンに走行風により安定して冷却されていても)夏場などの高気温下ではオーバーヒートしてしまいます。
それを避けるためにはオイルクーラーを付けるとか、エンジン温度を気にしながら走行ペースを考えるとか、ちょっと手のかける必要があるのですが、それもまたバイカーにとっては可愛さを感じる一つの要素かもしれませんね。かくいう私も空冷エンジン好きの一人ですが。
空冷エンジンの魅力
空冷エンジンは、走行風を利用してエンジン温度を下げたい狙いがあります。そのため水冷エンジンにはない長いフィンが美しく、ラジエーターがないのでスリムな見た目となります(エキゾーストパイプの曲線がまるっと見えるので美しい ^_____^)また、水冷機構が必要ないので、ちょっとだけ軽く設計できます。あと、水冷の通路がエンジンにないことからなのか、排気音がちょっと良いって言う人もいますが、私にはワカリマセン^^; 甲高い感じはしますが。
あと水冷機構がないのでラジエターフルードの交換とか気にする必要がないのも魅力でしょうか? ただしデメリットとして、エンジンオイルが高温になりやすく、オイル寿命が短くなりがちなので、オイル交換を怠ると傷めちゃうので注意が必要です。
さてそんなところで2018年、新車で購入できる大型空冷バイクを紹介しましょう。
HONDA:CB1100
CBシリーズの中で唯一の空冷エンジンを搭載したCB1100。ネオクラシックの外観に空冷を頑なに搭載しているこのバイクは400cc並のコンパクトな車体で、リターンライダーにも乗りやすい仕様となっています。また、アルミ18インチホイールのスタンダードモデルと、17インチのアルミホイールを装着し、スポーツ走行が一層楽しめるRS、18インチスポークホイールで最もクラシカルなスタイルのEXの3ラインナップとなっています。
ホンダ CB1100のスペック
※CB1100EXのスペック
全長(mm) 2.200
幅(mm) 835
全高(mm) 1.130
軸距(mm) 1.490
最低地上高(mm) 135
シート高(mm) 780
車両量(kg) 255
乗車定員(人)2
定地燃費 31.3 (60) 2名乗車時
最小回転半径(m) 2.7
エンジン型式 SC65E
エンジン種類 空冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量(cm) 1,140 内径×行程(mm) 73.5 x 67.2 圧縮比 9.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 66[90]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・ m] [rpm) 91[9.3]/5,500
燃料供给装置形式 電子式(電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
燃料タンク容量(L) 16
CB1100の新車価格
CB1100 EX:メーカー希望小売価格(消費税込み)1,338,120円
CB1100 RS:メーカー希望小売価格(消費税込み)1,378,080円
CB1100:メーカー希望小売価格(消費税込み)1,220,400円
おそらくこのCB1100シリーズが最後まで売られる空冷エンジンだと予測しています。今どき昔のCBを模した車体ということで、ホンダのエンジニアたちの意地が垣間見えますね。
YAMAHA:XJR1300
2018年には生産終了の文字が公式サイトに記載されておりますが、生産終了後も新車として購入できるように、たっくさん生産してくれているのでまだまだ新車で手に入るXJR1300。空冷エンジン最速をテーマに登場した空冷硬派なモデルです。オーリンズのサスペンションが純正で装備されていることでも話題をさらったことがあります。サブスロットル付きインジェクションで武装し、雰囲気モノのCB1100に対し、ひたむきにハイスペックを追求しています。最後までその姿は普遍でしたね!
ヤマハ XJR1300のスペック
シート高 795mm
軸間距離 1,500mm
最低地上高 125mm
車重量 245kg
燃料消費率 21.0km/L (60km/h) 国土交通省国出值
原動機種類 空冷4ストローク DOHC 直列4気筒
総排気量 1250cc
内径x行程 79.0mm×63.8mm
圧縮比 9.7:1
最高出力 74kW (100PS)/8,000r/min
最大トルク 108N.m(11.0kgf·m) / 6,000r/min
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 4.20L
燃料タンク容量 21L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V, 11.2AH(10H)/YTZ14S
変速装置/変速方式 常時噛合式5段/リターン式
タイヤサイズ(前/後) 120/70ZR17M/C(58W)(チューブレス)/180/55ZR17M/C(73W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク
乗車定員 2名
XJR1300の新車価格
メーカー希望小売価格 1,112,400円 [消費税8%含む]
今新車で買え空冷エンジンはこの2台だけなのだ!
2018年現在、とうとう2台だけになっちまった…。この際新車で買って一生大切にするつもりで乗るのも良いかもしれませんね。年々排ガス規制が厳しくなっているので、もしかしたらいずれガソリン車はいかなる場合でも販売できなくなるかも。現に2ストエンジンは絶滅しましたよね。その運命をたどるかも・・・。
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